#228 「道案内で右往左往する」

 今日のトピックは「道案内」である。地域の居場所を運営していると、初めて来られる方から電話があり、その時に必ず聞かれるのが「どう行けばいいですか」ということだ。近所でもどちら方面から来るかによって言い方は変わってくるし、遠くからだと交通手段と最寄りの駅まで説明するのが誠実なやり方だと思うが、まあどちらにしても定型の文言はないし、究極の臨機応変な対応になる。こういうときはかなり左脳を駆使するものだ。そして人に道を聞く場合も実にいろいろな返答があって、それらを上手に解釈しながら目的地に辿りつかねばならない。

 海外に駐在していた時がそうだったので経験談から言えるのだが、外国の方は道案内が実に大まかで粗っぽいということだ。東南アジアだけを言っているのではなく、テレビの紀行番組などで同じようなシチュエーションを見ることがあり、ああ同じだと思った経験がある。それは、「はい〇〇さんのお店ね。あっち」と方向を手で指すというものであるが、もう少し親切な人は目印やキーワードまでは示してくれる。しかし「すぐ近くだから大丈夫」などと言われて30分も歩くことが結構ある。おそらく「すぐ近く」の定義がそもそもその人によって個別性が高いから、あまり文字通り受け取ってもいけないのだろう。

 外国の悪口を言っているのではない。日本人の道案内がわけがわからないということもある。これも経験からだが、電話で道を聞いているのに「○○書店の角を左に曲がって三つ目の信号を左に、××の看板が見えるからその手前の通りを右に4軒目の緑の屋根の家」などと説明されたら、もう覚えることは不可能だ。電話を耳に当てて、すぐ近くの紙にボールペンでさっと図をかける人が100人に何人いるだろうか。私も途中で「・・・ありがとうございます。すみません、覚えられないので何とか探していきます」と言うのがオチだったりする。

 聞く方の立場ばかり言ってきたが、伝える方もちゃんと正確に人に説明することはなかなか大変である。まず何より、頭の中に、その「案内したい場所の周辺のほぼ正確な地図が描けているかどうか」が第一の課題だ。そのうえで、その「頭の中の地図を読みながら、正確に人に説明できるか」が第二の課題だ。私の場合は、どちらも得意とは言えない。実際にその場での説明でも四苦八苦するのに、これが「電話で人に道案内すること」になった場合は、脳の相当多くの機能をフル稼働させても非常にハードルの高いタスクであろう。

 さあ脳トレだ。道案内をしてみよう。二人一組で、お互いに知らないところを伝えあって無事行けるか試してみよう。相手がすんなり辿り着けるような道案内が出来たら大したものだ。右往左往してしまうことにならないように。(写真:大阪市福島の飲み屋街で右往左往する)

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