#201 「著作権」

 一昨日、史上最大の講義が終わった(オーバーな言い方)。なんせ5時間の講義で、スライド数はこれも史上最大の87枚、作成に正味2か月はかかった大作だ。で、その出来栄えはといえば、最後は締め切りに間に合わせるために端折ったり妥協したりしてちょっと尻切れトンボの感は否めない。なので、自分で自分にご褒美を買ってあげる気にまではなれない。いつもこんな感じで、どこかに不満が残る。でも裏を返せば、だから次はもっといいものをというモチベーションにもなる。

 我が株式会社の福祉事業の主たるお仕事は福祉教育であり、いかに多くの講師業の仕事が来て、それを請け負うかにかかっている。ありがたいことに、仕事はちょっとずつ増えてきて、最近は仕事の半分を(講義用の)スライド作りにかけている印象でもあるが、正直、だんだん上手くなっているんだろうか。いつも生みの苦しみとの戦いだ。そして試行錯誤し、出来上がった後もあちこちいじくり倒し、かえってわかりにくくなったりする。悪い癖だ。一本筋が通っていないのだ。

 さて、講義のスライドづくりと言えば、いつも困るのが利用する写真・動画だ。これらを効果的に入れることで、講義は3倍はよくなると思える。つまり伝えたいことの「見える化」だ。人はダラダラと話をしているその内容をつかみとることは難しくとも、それを写真や図式にするとスッと落ちていくことが多い。だからスライドにもできるだけたくさんの図式や写真やできれば動画を入れたいと思うのだが、いかんせん、最近はとみに著作権とか個人情報とかが厳しくなって(つまりはコンプライアンスに縛られて)なかなか簡単には使えなくなってきた。

 特に大きな機関での講義やその研修の種類(例えば法定研修かどうかなど)によっては、かなり細かくルールが決められている場合が多い。まあ今のコンプラがんじがらめの世の中では当たり前なのだが、これがいい資料作りのハードルをさらに高くしていることは確かだ。

 差し込みイラストでは業界で定番の「いらすとや」という素材があるが、これだって最近「使用のルール」なるものが出てきた。まあ今のところは見て見ぬふりをしているけど、そのうち監視する人々が出てくるかもしれない。では、すべて自分で書いたイラストや撮った写真を使えばいいということになるが、おそらくそんなことできる人は1000人にひとりもいないだろう。私は時々自分で書いた漫画イラストを挿入しているが、せいぜい同じものの使いまわしが関の山だ。時間は無限にはないのだから。

 そこで最近よく使われているのが「生成AIが作った絵やイラスト」だ。一方で生成AIだからいろんな画風というかスタイルというか、つまりはバラエティに富んだ素材を天才的に作り出すのかと思っていたが、どういうわけか、AIの絵はすべてどこか似通っている気がしてならない。AIが作った絵や写真は何となくわかるのだ。これはAIだと。そしてAIが作った素材の共通点は「味がない」ということにつきる(負け犬の遠吠えか)。

 ほんまかいなと言われそうだが、これは「AIは仕事上の最大のライバル」と大口をたたいているアンチ人間が自分を鼓舞するための言葉だ。そんなことを言いながら切羽詰まっていつかは生成AIの素材を使わざるを得ない日が来るかもしれない。しかしそんな風に言っているうちに必ずやってくると予想される事態がある。それは「生成AIの使用制限」というやつだ。恐ろしい。

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