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#115 「僕がChat GPTを使わないと言い張る根拠」
このトピックは確実に過去にありました。#029 「僕がChat GPTを使わない理由」です。そして、今回はタイトルが少し変わっています。気持ち的に何か変化の兆しがあるのでしょうか。いいえ、特にそうではありませんが、ここらあたりでしっかり「根拠」をまとめておくことは大事だと思ったからです。だって「あいつはとにかく天の邪鬼だから」とか「いうだけ番長」とか簡単に言われるのも癪ですから。
まず、私は決してChat GPT(以下CGPと略します)を利用している人を批判したいわけではありません。それは声を大にして言っておきたいですし、とりあえず予防線を張っておきます(炎上しないように)。そりゃ、世界の技術のスタンダードがここまで来るとは思っても見なかったですし、そんな優れた技術を一部の科学者だけとかではなく、世界の一般の人々が手軽に身近に使えるようになったのはすばらしいと思います。
なぜCGPを使いたくないのか。ひとつには、私が福祉専門職の人間だからということに関係していると思います。介護や福祉の世界でよく言われるのは「正解はひとつじゃない」ということです。だから、ひとつの正解を出すCGPに馴染めないのだと思います(言い換えたりバリエーションは示してくれますが)。わかりにくいので、もう少しかみ砕いてChat Kentaroが説明します。

介護におけるケアの基本は個別ケアです。その人の状況をよくアセスメントした上で、その人にどう接するか、どうケアするかを、その人の思いに沿って行うというものです。ケアについては個人個人によって違うだけではなく、その人のその時の状態や気持ちによっても違ってきます。感情労働です。おそらく、そのときどう接したらいいか、どうケアしたらいいかとか、さすがにそれはCGPは手に負えないだろう。それは人間だから出来るのだ、ははは、ということでしょうか。これで、さらに技術が進歩して、その時のその人によって「こうすべし」と答えるようになったら、はい、私は両手を挙げて、潔く退散します。
もう一つは、やはりCGPに慣れて、頼りすぎるようになることによって、人間が自分で考えたり、探索したり、勉強して答えを編み出したりすることがなくなる、いやそこまで言いきらなくても、確実にその機会を少なからず奪ってしまうことになるからです。すぐ答えが出ることを「便利だから」と割り切るか、「機会を奪われた」と偏屈にとらえるかはその人次第でしょうが、なにせ「令和の偏屈王」ですので。使うとき、使わないときを上手くコントロールすれば言うことはないのでしょうね。確かに最新の技術は人間が使いこなしてなんぼであり、人間が使われる、支配されるようになったら終わりです。それは「ブレイドランナー」の時代の幕開けと言うわけです。
人間が技術をどこまでも進歩させ、どこまでも世の中を効率的に便利にしていくのを目の当たりにしていると、ときに「怖い」と感じることがあります。人間の進化の曲線は、ずっとゆるやかな(カーブがわからないくらいの)線で何万年も続いてきたものが、今は90度に近くなって短期間で急激に伸びあがってきています。そうすると、もう行きつくところは「神の領域」しかありません。だから、私は逆に「もう少し進化がブレーキをかけるか、なんなら止まってくれればいいな」といつも思っています。怖いからです。
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