Myコラム(2) 「認知症介護実践者研修について」

前回のコラムで、介護職は他の職種に比べて自己研鑽、スキルアップの機会が多く与えられていることをお伝えしました。

 ほんの1週間ほど前、NHKで報道されましたので、記憶に新しい方も多いかと思いますが、今年、厚生労働省の研究班がまとめたものによると、2040年における認知症高齢者数は584万人になると予測され、これは高齢者のおよそ15%にあたるとのことでした。認知症ケアに深くかかわっている人なら、この数字は想像よりもかなり少なく感じると思いますが(1000万人規模になるとイメージしていた方が多いと思います)、それに関してはまた別のコラムでまとめたいと思います。いずれにしても認知症高齢者は今後も増え続け、認知症介護は社会における喫緊の課題であることは言うまでもありません。

 このような社会背景もあって、介護職のスキルアップ項目の中でもとても重要な役目を担うのが、認知症介護にかかわる研修であり、その中でも中核を担うのが「認知症介護実践者研修」で法定研修です。つまり、個人のスキルアップを図りつつ、制度上、介護事業所にとっても必要なものということです。

 認知症介護の現場で一定の経験を積んだ職員が受講できるこの法定研修は、2001年度から段階的に始まり、見直しを加えながら2006年度から今のかたちになりました。受講者は延べ20万人を超えるなど成果をあげてきています。研修の概要は添付図のようにステップアップ方式です。

 もしあなたが現場で認知症の利用者さんとの接し方に行き詰っているとしましょう。ぜひ実践者研修に参加されることをお薦めします。研修の中であなたは、その方がどのような状況に置かれていて、なぜそのような行動をされるのか、何を望まれているのかなどを深く考えるようになり、その行動の意味を紐解くことができるようになってくるでしょう。そして、きっと自分のケアを振り返り、納得することが出来るようになるはずです。

 次のステップは、あなたが職場の中のチームをまとめるための、実践リーダー研修です。そしていよいよ後進の実践者を育てるための指導者研修です。

 指導者研修は私自身も受講し、卒業しましたが、かなり厳しい内容です。泊まり込みの研修で頭の中は飽和状態になるかもしれませんが、自己形成におけるとても良い機会になるとともに、受講仲間とのチームワークを深めることができることも含めて大変良い経験になること間違いなしです。

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