Myコラム(13) 「介護職フリーランス化計画」

最初に申し上げておきます。これはフィクションです。私の創案ですので、こんな計画が本当に進んでいるということではありません。荒唐無稽なアイデアです。しかし、かなり抜本的な改革になること間違いありません。

 介護職の仕事は昔から3Kの仕事という根拠もない括りをされてきました。賃金の面からも、平均を大きく下回り、その意味でも就労者から敬遠されてきました。また、おかしなイメージがセットになり、有名人が自分の罪から立ち直るためのツール、贖罪ツールとしてみなされているような風潮になっています。

 一方では、毎年恒例のように「介護職のマンパワー不足」という問題がテレビでも紙上でも取り上げられます。ある統計によると、2023年に必要とされていた介護職の人数233万人に対して、約22万人(約10%)が不足しているいうことでした。10%と言いますが、現場によってはそれどころでない不足感があるのは肌で感じていました。その対応策として打ち出されたのが外国人の雇用で、実際に現場での外国人はどんどん増えていっているようです。私が一時アルバイトでかかわっていた事業所では、インドネシア人の介護士さんがとても温かく優しい介護をされていて、利用者さん達にも好評でした。

 ただ外国人の人を雇うには一定の手続きやルートの確保や教育や、そもそも円安で日本で働きたいというニーズ自体も減っているという多くのハードルがあります。日本人のマンパワーを増やすというかねてからの課題はずっと残っています。そこで、私はちょっと考えてみました。

 介護職に人が増えない三大ネックは既述しましたように「3K」「賃金」「イメージ」と私は強引にまとめました。いや、そうであると仮定します。特に賃金の部分では、この仕事が「介護保険制度」という枠に従属する歯車のような労働力であることを考えると、だいたいの相場は決まってしまい、事業間での差別化はそれほど図れないのが現実です。そして、一般企業のように「出来高払い」のような方法の対象にはならないでしょう。

 そこで考えたのが、介護職を基本、フリーランスの個人事業主とし、介護職は自分の能力、つまり知識や技術や、また「性格」でもいいと思いますが、それらを売りにして、各事業所にアピールして、各事業所はその運営の理念や自分のお財布などのバランスを考えて契約するというしくみです。介護職のモチベーションが上がることは間違いないですし、事業所は賃金に差をつけて、自由市場で獲得競争するのです。

 どうですか。めちゃくちゃ良くないですか。介護職は自分の能力を磨き、自分をアピールし、高い収入を得る。事業所は、いい人材を獲得できる。言葉は悪いですが「良い買い物ができる」ということです。適材適所です。ウィンウィンウィン~というまるでサイレンのように鳴り響きます。でも、結局、「介護保険制度」で収入枠が決まってるから無理だろうって?確かに。

 ・・・・・・まあ、そこは国に抜本的に見直してもらいましょう。

 

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