#060 「もみじ饅頭、広島焼き、そしてドリマトーン」

皆さんは広島というと真っ先に何を思い浮かべますか。原爆ドーム、安芸の宮島、もみじ饅頭に広島焼きなどいろいろありますが、私が真っ先に思い浮かべるのは、森光明さんです。 

森光さんは1965年広島県三原市生まれで、私の友人であり、かつての河合楽器の同僚でもあります。同僚といっても職場が浜松と広島で離れていましたので、最初にお会いしたのが私の入社8年目くらい、シンガポールに駐在してから、確か1991年のこと、タイのバンコク国際空港のロビーでした。

 カワイはライバルのY社も同様に国内だけではなく、東南アジアでの音楽教育事業にも力を入れており、ピアノは英国の音楽大学の試験制度が席巻していましたが、当時流行っていた電子オルガンは、カワイ独自の試験制度(グレード試験)を取り入れて、グレードアップに応じて、機種も買い替えてもらうという販売手段でした。

 因みに(いつも話がそれていきますが)、カワイの電子オルガンはドリマトーンと言います。知る人ぞ知る名前で、夢の音、’Dream-a-Tone’が語源です。森光さんも演奏会の中で説明しましたが、覚えてくださいね。といっても、5年ほど前に製造中止になりましたが。

 さて、森光さんとバンコクの空港で落ち合ったのは、そのドリマトーンのグレード試験の試験官としてお招きした際です。毎年一回、そのグレード試験の実施のために東南アジア各国を約1か月(お二人で分担して)回っていただいていたのです。

 その年が最初のグレード試験ツアーだった森光さんは、少し緊張しておられました。見るもの聞くもの初めての東南アジア、特に(まだバブル景気の中)各地でふんだんにふるまわれる慣れない食事に少し苦労されたようです。それでも持ち前の子供のような体躯・・・あ、失礼、純真な心と、明るいキャラでどんどん慣れて、めくるめくアジアの世界にのめり込んでいかれる姿はさすがでした。

 そして、森光さんと言えば、なにより卓越した鍵盤楽器の演奏技術です。鍵盤楽器奏者として、ピアノ、キーボード、シンセ、なんでも弾きこなしますが、演奏技術という意味では、一番それがよく表れるのは電子オルガン(ドリマトーン)です。この楽器は、コンサートの中でも説明されたように、メロディー、コード、そしてベース(リズム)まですべて一台で表現でき、森光さんがそれを「操る」姿は、まるでマジックのようです。すなわち、音楽を「聴く」だけではなく、「観る」楽しさもふんだんに味わうことができる、それが電子オルガンだと思います。

 いえ、うちの会社はカワイの代理店でも楽器を扱っているわけでもないですので、このブログは広告宣伝ではありません。でも、うちは友人、「森光明」を扱っています(笑)。楽しい地域のコンサートをご企画の際は、どうぞ私までご連絡ください。などとご本人の了承もなく勝ってに言っている無責任な友人です。

コメント

コメントする

目次