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#54 「臨機応変」
どうも世間では「臨機応変」という言葉の意味が誤解されて理解されている、あるいは使われているような気がします。デジタル大辞泉によれば、「臨機応変」とは、「その場その場に応じて、適切な手段をとること。また、そのさま」とあります。「適切な」手段です。「テキトーな手段」ではありません。
この言葉について考えるとき、いつも思いだすことがあります。過去にとある介護現場で、その管理者としてスタッフに指示を出すとき、「そこは臨機応変に対応してください」ということを良く言っていたのですが、必ずスタッフにはある種、失笑や失望の雰囲気が広がり、「うちの管理者の好きな言葉は臨機応変です」とか「具体的に指示してくださいよ」などと半分からかいまじりに言われていました。現場スタッフには、いつも「具体的な答え」が必要で、「指示」が必要だったのです。
まあ「臨機応変」という言葉を放り投げて、あとは放置しておくのは、一つ一つ答えを与えていくことよりも始末が悪いですが、スタッフに望んでいたのは、臨機応変の先にあるいろいろな選択肢や可能性を自分でよく考えてから根拠のある行動をするということでした。それは口を酸っぱくして言ってたのになあ・・・。そして上に立つ人は、必要に応じてその根拠をしっかり修正したり、行動した結果を評価したりして見守ることがとても大事なのです。
「臨機応変」という言葉は、マニュアル世代のスタッフには責任を果たしていない、頼りないものに映るでしょう。しかし、「もし、その場に自分一人しかいなかったら・・・」のような場合も想定して、自分で根拠を持った行動をできるようになることはなにより大切と思っています。
「好きな言葉は臨機応変です」はい、その通り、私は好きです。そして、それは何より高度な知識や技術や思いに裏付けされたもので、本当にそう思えるようになるには、いつも勉強と修行が必要だと思っています。
で、なんか最近ちょっと理屈っぽい固いブログが多いなあと言うことに気づきました。まあいつかまたおもしろブログに戻るでしょうから楽しみにお待ちください。臨機応変に書いていきますので。
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