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Myコラム(3) 「地域で認知症の人と共に暮らすこと①」
前回のコラムで、厚生労働省の研究班が2040年における日本の認知症の有病者数が582万人になるとまとめ、NHKが報道したという話にふれました。この数字が、今後、私たち認知症研修の講師のベースとなるかどうかは様子を見ないとわかりませんが、長らく私たちは研修の中で、2012年の九州大学久山町研究により推計した、日本で462万人(当時)という数字を正式な数字(ベース)として使っていました。もう10年くらい前の数字をいつまで使うのかなあという疑問はありました。
一方、マスコミからは「認知症800万人時代」というショッキングな報道がなされたり、データによっては「いや、このペースで行くと2025年には1300万人になる」などという推計も見られたりします。認知症の人の日常生活自立度がいくつ以上、あるいはMCI(軽度認知症)の人を含めてなど基準も統一されていない感じがあり、数字だけが独り歩きしているようですが、所詮、数字は数字。要は認知症の人の数は今後どんどん増えていくということだけは間違いありません。
ある調査によると、認知症の人の約半数は在宅介護を受けているということです。すべての人が介護を受けているかといえば、そうではないでしょうが、このデータから見ると、残りの半数は施設や病院などで介護を受けているということになります。この結果をどうとらえる方はひとそれぞれでしょう。「半数も家で生活できているの」と驚く人もいるでしょうが、私からすれば「半数の人が自宅ではなく施設や病院で過ごしている」ということがショックだったりします。
「地域の中で認知症の人と共に暮らすこと」それは、先ずは「認知症=介護」というイメージを捨て、認知症の人を「認知症患者」ではなく、「認知症とともに生きる人」という捉え方をすることから始まるのではないでしょうか。今年1月に施行された認知症基本法の骨子である真の「共生社会の実現」はそこがスタート地点だと考えます。
(Myコラム「地域の中で認知症の人と共に暮らすこと②」に続く)
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