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#173 「名曲百選、いや三選(70年代洋楽ポップス編)」
洋楽の歴史については詳しいとは言えませんが、70年代から80年代にかけて音楽はだいぶ変わったように思います。私は生まれが1960年とわかりやすく、ちょうど70年代は10代、80年代は20代でしたので、音楽がその間変化したように、自分自身のその間の変化も(ほとんどの人がそうであるように)大きかったと思います。いや、裏を返せば、自分自身が変化したので、音楽の受け取り方が変わり、音楽自体が変わったように感じたのかもしれません。
10代の私にとって洋楽ポップスは「自然に入ってくるものがほぼすべて」でした。その入り口は、当時よく通っていた名画座で見た映画からであったり、FMラジオから偶然流れてきたものであったり、映画音楽からであったり、映画雑誌で見かけたものだったりでした。映画(洋画)については自分から食いついていきましたが、音楽(洋楽)は自然に入ってくるものが主流でした。
それが80年代になると、私はかなり自分から洋楽を追いかけていくようになったと思います。そして周りの仲間の影響もあってか、いわゆる洋楽ポップスと言われるものからジャズやロックやフュージョンやAORやワールドミュージックなど縦横無尽に広がっていきました。やはり自分から追いかけると、音楽はさらに楽しくなります。自分の人生でも一番集中して音楽に浸かっていた頃かなと思います。

さて、Back in the 70th。自然に耳から入ってきた洋楽の中での名曲を3つ選ぶという作業はまあまあ難しいですが、遠くを見るような目をしながら考えてみたいと思います。
一つ目はカーペンターズですね。その中でもやはり「Close to You(遥かなる影)」(1970) を選びたいと思います。正直、カーペンターズから一つだけ選ぶのは至難の業です。読者の皆さん(苦笑)はご存じのようにこの曲はカーペンターズのオリジナル曲ではなくて、有名なバート・バカラックの作曲です。それを多くのミュージシャンがカバーして歌っています。しかし、「これはカーペンターズの曲でしょ」と思っている人が多いくらい、そのバージョンが一番有名なことに違いありません。この曲の世界はさすがバカラックさん、秀逸ですね。人生のどこかの一場面でこの曲をBGMに使いたくなることが必ずあります。やさしく切なく愛おしく。
二つ目はサイモン&ガーファンクルです。やはり一つだけ選ぶのは至難の業ですが、「マイ・リトル・タウン」(1975) をあげたいと思います。でもS&Gのヒットはまだ60年代が多かったんですね。この辺が記憶があいまいなところですが、少し後になって聞いたこの「マイ・リトル・タウン」は紛れもなく70年代です。テーマ性とサビの部分の「心の絶叫」がとても印象的です。ポール・サイモンはやはり天才です。
最後はちょっと70年も後半ですが、ABBAです。ABBAに限っては、自然に入ってきただけでなく、確実に追いかけましたね。きっかけは「ABBA The Movie」というドキュメンタリー映画でした。2~3回見たんじゃないかな。それからアルバムを買いまくりました。10代も終盤のことで、大学1年で大阪に来たときはコンサートにも行きました。立ち見でも3000円、学生だから大枚でした。その中の名曲一曲は「ブーレ・ブー(Voulez Vous)」(1979) を選びたいと思います。ちょっとABBAの曲のテイストが変わってきたころです。大人っぽくなったというか。自分が10代から20代の階段を上がるのと時を同じくして。そしてもう一つ、フランス語専攻だったので、やっぱりこれを選ばないとまずいでしょ。
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