#155 「The Climate Change」

 参議院議員選挙も7月20日投開票に決まり、今は選挙戦真っ盛りと思いきや、いつもの選挙戦のときに比べると非常に静かな気がします。選挙活動もかなりの割合でインターネット、SNSにその戦いの舞台が移ってきたのでしょう。そして今話題になるのが、各党が何を「選挙公約」にするかです。その中身は間違いなく第一に物価高や米の値段などの経済政策で、それから子育てや社会保障、政治改革などと続くようです。しかし「気候変動への対策」を掲げているところはまず見当たりません。私なんかが考えるには、それこそ一番に掲げるべきではないかと思っているにもかかわらずです。

 なぜそう思うかといえば、経済政策などは一過性のもので、放っておいても市場の原理が働いて、必ず「よきにはからわれて動く」ときが来るからです。政治改革なんてものはあたりまえだし、社会保障はいちいち公約に掲げなくても、きちんと対応するのが当然だからです。

 ではなぜ、経済政策なるものをこぞって公約の一番に掲げているかというと、それが一番「受けがいい」からに決まっています。つまり一過性のものでも、今、消費税が減税されれば、米の値段が下がれば、一時支給金がばらまかれれば、国民は「一時的」に嬉しい、それが実現するならその党に入れようと思うからです。(しかしみんながみんな同じような耳障りのよいことをしゃべっている中、どうやって一党を選ぶのでしょう)しかし、一時的に嬉しかったとしても、そんなものはすぐに忘れ去られます。お腹がすいているときにおやつをくれたら嬉しいけど、食べたらすぐ忘れるようなものです。

 しかし「気候変動」は待ったなしですぐにも対応しないと「命に係わる」問題です。百歩譲って私たちが生きているうちは何とか乗り切れたとしても、今の子供たちの世代になると、もう生き残ることすら難しくなるかもしれません。「気候変動なんて、自然のなせる業だからどうしようもない、なるようにしかならない」と思う人もいるかもしれませんが、いやいや、例えば現状で放置して2℃上がるところが1℃になっただけでもこれって結構大きな違いですよ。

 気候変動は「地球温暖化」が課題の中心になっていますが、それに付随して起こる様々な自然災害も大きな問題です。たとえば、山林火災、集中豪雨、巨大ハリケーンの発生、氷山が融けて起こる水害など。また自然災害だけではなく、海水温の上昇による漁獲量の減少や、農作物の取れ高の減少など、負の影響を数え上げればきりがありません。

 集中豪雨といえば、近年の傾向として本当にピンポイントで集中しますよね。昨日は午後、兵庫県南部に大雨洪水警報が一時出たので「恵みの雨か」と思っていたら、一滴も降らず、しかし隣接の三田市で一時間に100ミリの豪雨があったとのことでした。これはシンガポールという熱帯に住んでいたときはよくあったことで、「豪雨(シャワーと言ってました)があたかもカーテンのように」降り、シャワーの中を車で走っているとスッとカーテンから抜け出るということがありました。すなわち、それと似てきた日本は今や熱帯化しているということです。

 私たちはテレビの影響か、夏になると「異常に暑い」と騒ぎ立てますが、「暑い暑い」と言われる根拠になる指標が気温だけですので、35℃とか36℃とかは、正直、昔でも夏になればそれくらいはよくあったことなのにと思います。しかし、今の夏が「異常」と感じる所以は、気温だけではなくて、総合的に感じる「不快さ」ではないでしょうか。これは湿度やその他いろんな要素が組み合わさって(知らんけど)生み出されるもので、特に気象報道では、この不快指数、あるいは新しい指数を考えて、それを中心に警戒を促すべきだと一人で思っています。

 私の子供のころの夏といえば、同じ神戸市の端っこに住んでいましたが、昼間はカンカン照りの入道雲でも、時々そよ風が吹き風鈴がちりんちりんと音を立て、そしてざっと夕立があって、夕方になるとツクツクボウシが鳴き始めて、夜になるとベランダで夕涼みというパターンで過ごせました。夏だから「不快だった」という印象はあまりありません。夏が苦痛だと思ったことはなく、蝉取りや川遊びですぐに訪れる秋までの間の楽しみでしたね。時代が変わったのもありますが、子供でもそんな風流な夏は過ごしていない、いや、すごせないような気がします。

 気候変動のために世界各国でも取り組んでいる機関は数多くあります。しかし政府間になるとなぜかちぐはぐなんですよね。1℃でも下げる対策に面白みがないのでしょうか。そして人間ならではの悲しい嵯峨、みんな「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言うことです。だから継続して行う取り組みが続かないのです。地球人の命がかかっているのに。

 私たちが住民レベルで取り組めることは、やはりSDGsに関心を持ち実行することだと思います。それしかないですよね。みなさん、気候変動対策を公約に入れないような無責任な党には投票しないでください。入れるんなら「いこいの広場党」ですよ。SDGsを継続的に実行します!ってそんな党はありませんけど。

コメント

コメントする

目次