#111 「なんなら」

 昨日のフェイスブックでつぶやいたのですが、最近、この「なんなら」という言葉がテレビやネットやSNSの中で耳に残るようになり、しかもその使い方が「あれ?微妙に違う」と思うようになりました。

 本当は自分で例文を作って示せればいいのでしょうが、このニュアンスがどうもわからなく、でもちょっとした違和感を感じるだけなので、まだ自分では例文を作れません。ひょっとして、これって流行り言葉?と思って、ネット検索してみました。

 するとNHK放送文化研究所のサイトが出てきて、やはり「最近気になる放送用語」として入っていました。しかし2019年に取り上げられています。え~もう5年以上前のこと、ということに先ずは驚きました。しかもその時に取り上げられたということは、それ以上前から流行り始めていたということです。私はどれだけ人の使う言い回しに対してアンテナが低かったのかと唖然としました。(この場合、呆然ではなく唖然であっていますか?)

 その中で使われている用例は「カレーがほんとに好きで、なんなら毎日食べています」「彼はいつも朝寝坊だ。なんなら、昼過ぎまで寝ていることもある」そうそう、確かにこんな感じで使われています。

元来、「なんなら」は「相手のために何かを提案する」という文脈で使うのが主流のようです。「では、明日10時に待ち合わせで。なんなら朝一で私の方から電話してリマインドしましょうか」みたいな感じで。確かに、これなら耳にしっくり来ます。

 きっと流行り言葉というのは、最初に使い始めた人が必ずいると思いますので、その人が「世の中にかなりの影響力のあるインフルエンサー」だったりすると、それが意識的か誤用であったのかはわかりませんが、そこからじわじわ人が追随して、世の中に広がっていくという構図なんでしょうね。そして、私のようにアンテナの低い人にも、いつか気づく日が来るということでしょう。

 流行り言葉に疎い私でも、不思議に「ふっと気がつく」日が来ます。どういうタイミングなんでしょう。関連ブログの#078「ほぼほぼムリクリ」も参照してください。

 流行り言葉(流行り病みたいですが)に私が、そして世の中が一斉に反応したのは、何と言っても、あの「歴代一位」を上げてもいい「ナウい」ではないでしょうか。調べたら、1980年代だったそうです。「ナウい」という言葉を使ってドヤ顔をするのがナウかった時代でした。途中「イマい」とかイマイチなマイナーチェンジを経て、今はおじさんおばさんがたまに使うか、なんなら「死語★★★★★(五つ星)」だそうです。この「なんなら」の用法はよかったですね。多分「ナウかった」んじゃないでしょうか。

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