#204 「ツッパシル人 オイテカレル人」

 居場所で参加者さんたちとだべっていると、たまにこの話題になる。居場所じゃなくても生活のいろいろな場面でときどき考えてしまう。世の中、便利になっているのか、はたまた(人々によっては)逆に不便になっているのか。ただ一つ言えることは、その基準を決めているのは、まあまあ若い世代か働き盛りの人たちということだ。うちの居場所のあるメンバーは「便利という名の不便」と言った。なるほど名言かもしれない。

さて、あまり抽象的に言ってもわかりにくいので具体的に書いていくと、例えば最近のレストランや居酒屋でも、ほとんどはスマホでQRコードを読み込んで、タブレット上で注文を入れる。私もたいがい途中でわからなくなり、手をあげて店員さんを呼ぶことになる(だったら最初から呼べばいいのだ)。しかしそのうち、店員がまったくいないセルフのレストランだって出てくるはず。現にいくつかはそうみたい。

 何かのイベントの申し込みもアンケートも今はほとんどQRコードだ。水光熱費のお問い合わせもQRコード。そしてコンビニや百均は支払いはおおかた自動精算機での支払い。総合病院も自動精算機だし、診療は診察券を読み込んで首から呼び出し機をかけて待つ。支払いはPayPayでしかできませんという店があったり、タクシーを呼ぶのもアプリだったりする。何でもかんでもアプリアプリを入れないといけない。マイナンバーにはいろいろなものが紐づけされて便利アピールをするが、マイナンバーを持つとすぐに無くしてしまう人には無用の長物だ。マイナンバーも暗証番号が2種類もあって、それを3回間違えたらロックされ、わざわざ区役所の窓口に行かないといけない。

 暗証番号パラダイスはまた更なる試練を生む。最初のうちはいつも同じもので乗り切ろうとするが、大文字を入れるやら何桁以上とか、セキュリティーが甘いだとかいろんなことを言われるから、替えざるをえない(微妙な違いにするのだけど)。こんなもの管理できるはずもないのでメモっておくが、決まってそのメモった場所がわからなくなる。だんだん自分自身の愚痴になってきました。

おそらく国にデジタル省ができたくらいだから、国を挙げて技術の革新とデジタル化を図っているのは間違いない。海外に行くと日本どころの騒ぎではないくらい進化しているし、日本だけ置いてけぼりにならないように必死になっているということもある。そして、デジタル化も進めながらも高齢者でもなんとか対応できるようにという気持ちだけはきっと政府もどこかにはあるはずだ。まったくないなんて考えられない。だって日本の高齢化率はもう30%を超えようとし、そのうち50%近くになると思う。つまりシステムの半分は高齢者が使うと考えた方がいい。

さて、高齢者が対応できるようにという気持ちはあるはずだと書いたが、現実はどうだろうか。毎日AIやIT、IOTやICTと英語の用語だけは増えていくが、本当に高齢者のことが考えられているだろうか。マイナンバーカードを利用する前に無くしてしまう人がどれだけいるか考えているだろうか。スマホがあることが前提で技術は進められていないだろうか。

じゃあどうしたらいいのというのは、私が言えたことではない。正直わからない。ただ思うのは「オイテカレル人」がいる限り、「ツッパシッル」だけではいけないんじゃないかと心から思う。デジタル難民を救う施策が世界中で必要だ。

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