#185 「数字あそび 言葉あそび」

 「今年も今日でもう師走か」という言葉を昨日のことのように去年もつぶやいた気がする。こんな感じで時はあっという間に過ぎ去っていくのだろうが、この感覚は確かに歳をとってきて加速度がついてきたことは間違いない。というのは、(同じ年代の多い)周りの人たちからも判で押したように同じような言葉が聞かれてくるからだ。確かに小学校のころ「今年ももう師走か、早いね」と友達同士で言った記憶がない。ひょっとしたら言っていたのかもしれないが、あまり記憶としては残っていない。

 それで話題は師走の入り、12月1日に戻る。亡くなった母の誕生日だ。生きていれば89歳、そうか、そうすると来年は生誕90年になるんだなあとしみじみ考える。亡くなった歳の77歳は変わらないが、これからも母の歳は「生誕〇〇年」という言葉で伸び続けると考えると、少し身近になったようでうれしい。

 12月1日と言えば2020年に何故か突然思いついたことを思い出す。コロナの始まった年だ。母の生まれた日が12月1日で、それを数字化すると1201。そして亡くなった日が8月19日なので0819。1201と0819を足すと、なんと2020になるのだ。これがどういう意味があるのかわからないまま、その発見の瞬間はまさに驚愕した。ひょっとしたら2020年に母は生まれ変わるのではないかとさえ思った。文系と見えて実は理系頭である私だが、こんな非科学的で神秘的な話も大好きである。

 そんな風に数字をいじって遊ぶのが好きだ。道を車で走っていていつも見ているのは信号機よりも(怖いからお勧めしません)前を走っている車のナンバー。何か前の車のナンバーを足したり引いたりして遊ぶあそびがあったように思うが、詳しくは思い出せないのでここまでにしておく。

 数列と言えば、語呂合わせ。5963で「ご苦労さん」とか4126で「よい風呂」とか古典的なものはもう卒業して、もう少し高度に語呂合わせを楽しむ。車のナンバーなんかは「これは明らかに誕生日」「これは語呂合わせ」「これはエンジェルナンバー」などと想像するのもおもしろい。 

 そして同じようなおつむのシステムを使うのが「言葉あそび」である。言葉あそびは、体よく言えば「ダジャレ」である。いや「ダジャレ」を体よく言えば「言葉あそび」かな。しかしダジャレは基本的に「おじさんの大好物」のようになっているが、これは実は、ある種の人間は脳の構造が自然になせる業なのだ。そのしくみは、ある言葉が耳に入ってくると、似たようなサウンドの言葉が脳の中にいくつも浮かんでくるということだ。そしてその中から、反復して面白そうなものを瞬時に選んで言葉に発するものが、すなわちダジャレである。そこには、①反復して面白いもの ②意味のつながりが少なからずあるもの を選び出す瞬間的な作業が含まれている。つまりダジャレは生まれついた脳の一つの働きがおじさんになって熟成された、とても高度で値打ちのあるですよ、と言ってもあまり賛同はもらえないだろうからこれ以上は言わないようにする。(写真:北海道 鹿追町ホームページより ご当地デザイン人気プレート)

 

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