#182 「ウンチのおはなし(科学的根拠)」

 まずはタイトルを読んで「ちょっと敬遠したい」と思われた方は、そのまま退室してください。ただし、それほど汚いお話ではありませんのでよかったらお付き合いください。

 生活のいろいろな場面で「科学的(医学的)根拠」を求めている向きがあります。これは、以前のブログでも書いたことですが、純文系頭に見えて実は理系頭も混在している私ならではの複雑な事情があるからです。

 科学的根拠を求める、どんなことかと言いますと、昨日はドカ食いしたのに、今朝のウンチは(失礼)量が少なかった、「それはきっと昨日水分摂取が少なかったからだ」とか「根菜類をあまり食べなかったからだ」と分析して、その日にそれらを補うことを考えるという、まあそんなことです。また、ウンチが出る瞬間の手ごたえ、いや、なんと形容しましょうか、あの感覚です。スルッと切れよく出るのか、むにゅーと長く出るのか、はたまた・・・まあこの辺でやめておきます。だいたい物を見なくてもその感覚でどれくらいの長さ、大きさ、形などはわかりますが、必ず、その物体を目で見て確認します。そして今日は水分を多めにとか、逆にヨーグルトや牛乳は控えめにとか、炭水化物を減らそうとか、タンパク質を多めにとか、運動をしようとか考えるのです。まさにウンチは健康のバロメーターだと思います。

 現場で介護をしていた時、「排泄」は3大介護の一つでとても大切なものでした。そこから利用者さんの健康状態のアセスメントをするということは必須でした。しかし一方で「排泄介護」ということは介護者のストレスを溜めさせ、メンタルヘルスをダウンさせる大きな原因の一つでした。介護業界のあるあるワードの一つに「便まつり」というのがありますが、特に夜勤明け職員が起床介助の時に、排泄に失敗した利用者さんのモーニングケアをしながら、疲れた心身のまま排泄物を処理するその状況を職員目線の言葉で「便まつりだった!」と揶揄していることが多かったと記憶しています。しかし私なんかは、帰りの電車の中でTシャツに便の跡がついていたりするのは一つの勲章のように思っていました。勲章でしたよ!

 考えると、介護職は「感情労働」であるとともに、「科学的(医学的)根拠を大事にして」よく観察しアセスメントするというとてもハードルの高い、高度な職業だと思います。今日は自分の頭が文系、理系のごちゃまぜであるところからスタートしましたが、思わぬ具合に介護の話にまで展開してしまいました。

 旅人・エッセイストという肩書で最近有名になっている「たかのてるこ」さんの言葉に「みんなやっていることは同じ みんな うんこメーカー! むずかしく考えず 思い出づくりを楽しもう」というものがあります。説明書きとして「うんこは『懸命に働いた細胞』から、おしっこは『全身をめぐった血液』から作られます」と書かれています。なんやかんや言っても難しく考えすぎないで人間はみんな根っこのところで同じ「うんこメーカー」であるということ。この言葉は個人的には私の今年の流行語大賞でした。

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