#160 「第二話の壁」

 連続ドラマ、面白いものはとても面白いし、つまらないものはとてもつまらないです。当たり前の話ですが、これをもうちょっと深堀していくと、「私にとってのつまらないドラマは」だいたい第二話に入って早々くらいに見切りをつけてギブアップすることが多いようです。酷いときは第一話の途中でやめてしまうこともあります。毎週録画で撮りためている場合でも、その録画全体を削除してしまいます。まあせっかちですね。

 しかし過去を振り返るに、昔はずいぶんとドラマを楽しんでいました。シンガポール在住の時は、日本の親戚や友人がたくさんVHSを送ってくれていて(シンガポールではすべて検閲を経なければいけませんが)、日本のビデオレンタル屋さんから借りたりして、何本もの連続ドラマを見ました。そして、ある時は本当に朝から日が暮れるまで「はい次、はい次・・・」と夫婦でビデオを見ていた日もありました。いわゆる「ビンジ・ウォッチング(一気見)」です。はまったドラマは本当にはまりきっていました。そういうのは日本でなら、「いつでも見られる」という気持ちがあるから却ってできないでしょうか。

 今、ドラマは日々身近に溢れるほどありますので、大事なのは何が面白いのだろうかを見極める千里眼になってきました。やはり「ドラマのビンジ・ウォッチングは楽しい」ですし、気分転換にもとても良いです。一方、開始するすべてのドラマを比較検討するのは、ほぼ不可能に近いです。だから、ドラマの開始シーズン前になると、ある程度「見当をつけて」何本か同時に毎週録画を開始するようにしています。そしてだいたいは3~4話たまったころ合いでゆっくりと見始めるのが常です。こういう時に、事前に「このドラマは素晴らしい」という事前情報があれば助かりますよね。まあアンテナは低いほうなのでなかなかこういう情報は見逃してしまいます。

 そして、3~4話たまったドラマを見始めるのですが、最初に書いたように第二話の途中、あるいはその前に見切って消してしまうことが多いという訳です。

 私が思うに、第一話からグッとストーリーに引き込んでいくドラマはそうはないように思います。すなわち、ドラマにおいて第二話というのは相当に重要な回で、視聴者側から言うと、そこを「我慢して」最後まで見通すと、ビンジ・ウォッチングはもう十中八九私たちのものになるかと思います。逆に言えば、第二話を見切ってもなお「面白くない」ものは時間の節約のためにも早めに打ち切ったほうがいいかもしれません。なんか、だいたいはゆるい私のブログにしては結構厳しめですが。

 私が面白いと思ったドラマは最近では、「宙わたる教室」とか「3000万」とか「リラの花咲くけものみち」とか考えれば全部NHKでした。それは普段見ているチャンネルがNHKが多いからということで、民放ではよかったドラマが少ないということではありません。

 「3000万」は面白かったですね。ちょっと変わったジャンルでしたが、特殊詐欺などの社会問題も扱っていたり、ストーリー展開の巧みさ、面白さには驚かされました。

 あと稀にみる「第一話」からグッと引き込むことに成功したドラマが、今の大河「べらぼう」ですね。もう今や毎週欠かすことのできないルーティーンになっています。たまにあまり面白くない回もありますが、「ここまで来れば途中で諦めることは考えられない」状態になっています。視聴率はいまいちのようですが、私たちにとっては、この大河は大当たりでした。  (写真は「べらぼう~蔦十栄華之夢噺」NHKウェブサイトより)

 

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