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#153 「笑いの質(QOL)」
今日は私の生み出した言葉、クオリティ・オブ・ラーフター、「笑いの質」というお題を考えてみました。いや、生み出したなんて豪語していますが、すでにある言葉かもしれません。略語はQOL、奇しくも私たちの業界ではよく耳にするQOLと同じです。そして私の意図は正確に言えば、「笑いそのものの質」ではなく、「人を笑わせるための笑い、ギャグ、ユーモアの質」であって、英語で言えば「QOLTMPL(Quality Of Laughter That Makes People Laugh)」とまるでDaigoのネタみたいな言い方になります。
笑いヨガのように笑うこと自体での心身の健康を図る方法は既にかなり前から浸透していると思いますが、そのように笑いを一つのツールとしたメソッドも悪くはないのですが、やはり自然にわいてくる笑いのほうが私は好きです。そして人を笑わせることに関しては並々ならぬ意欲があります。なんとなく子供のころから私は「おちょける(関西弁)」のが好きなタイプの人間で、家族の中の狭い世界での笑いはよく買っていたと思います。
人を笑わせるのが好き、人をハッピーにさせるのが好き、それを言い換えると人を悲しませるのが嫌い、いや「怖い」ということでしょうか。自分のしたことで人を傷つけたり、悲しませたりすると、気持ちがパニックに近くなります。その裏腹で人を笑わせようとしているのか、人を笑わせるのが大好きな裏腹で悲しませるのが怖いのか、まあそれは卵が先か鶏が先かという不毛な論争になりますので、まあどっちでもいいです。
若いころから、「おちょける」のは自分のアイデンティティーのようなものでしたが、そのQOL(笑いの質)が高かったのかそうでもなかったのかはわかりません。ただ、子供時代を含め若いころは私はかなり無口で、人との会話や交流が苦手なほうでした。ですから却って、あまりしゃべらない、その中にたまにぽつんと出てくる「おちょけ」やユーモアは人に「意外性」をもたらしたんじゃないでしょうか。不意を突かれて思わず笑ってしまうというのか。
私は45歳でこの介護福祉業界に入ってから、人と会ったり話したりするのに苦手という意識がなくなってきました。そして以前では考えられないくらいよく話すようになりました。それでも世間一般の、俗にいう「よーしゃべるな~」という人間には歯が立ちませんが、自分史の中では大きな変化です。おっさんになってから変わった性格。そして「人を笑わせるのが好き」という気質も、しゃべる度合いと正比例してさらに大きく増長していったように思います。
一方で、世の中に赤裸々にさらされ始めた私の「笑いの質」は途端に滑っていると感じることが多くなりました。笑いの質が向上しないままに年だけ取り、また世間でいう「おやじギャグ」の範疇に分類される、あるいは押し込められるようになったからでしょうか。あるいはQOL自体が退化したのでしょうか。

家族やごく狭い世界に甘やかされて育った私のQOLは、介護現場の長になった時期も、まるでラージヒル競技のシャンツェを滑走する選手のように勢いよく滑っていきました。面白いことは受けまくるが、面白くないことは忖度なくスルーする潔く気持ちの良い介護の職場の中で、私は鍛えられ、打たれ強くなってきました。ただし、それはスタッフ間のことであって、利用者さんはたわいもないギャグをゲラゲラとよく笑ってくれました。うれしかったです。
いまは「半分受けたら儲けもの」という思いで、いろんな場所で滑りまくっています。少しでも人にハッピーになってほしいと願いながら。逆にいらいらするときは遠慮なく忖度なく言ってくださいね。
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