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#114 「人を信用するということ」
テレビのニュースで見ました。ドラッグストアの商品が長期間、万引き被害を受けつづけ、それを組織的に行っていた某国の外国人のグループが摘発され、その某国内のアジトも発見され(捜索を受ける段階までいっているかはわかりませんが)NHKがコンタクトを試みている映像が流されていました。つまり日本からの窃盗品を大規模に自国内で売りさばいて利益を上げているという闇商売です。
最近感じるのは、大規模なドラッグストアのみならず、コンビニでもスーパーでも商品がたくさん無造作に積み上げられていて、また十分なマンパワーがいないために、そのまま置きっぱなしになっていて、見るからに「ご自由にお取りください」と言わんばかりの商品の陳列が増えたなあということです。
それと、もう数年前から相当な勢いで増えてきたのが「無人販売店」です。おそらくコロナ感染症のパンデミックが生み出した新しい産物なのでしょうが、マンパワー不足に対応することや、コスト軽減策としても効果的なのでしょう。
そもそも無人販売の始まりはといえば、農家のみなさんが路上に野菜を並べて販売した無人販売所なのかなと思います。この辺りは、ブログ#39 「無人販売店」でも考察しました。それ以降、餃子の販売、古着の販売店など多様化してきています。
いすれにしても、無造作な大規模陳列にしても、無人販売店にしても、そして極めつけは店員さんはお店の中にいるのに、店頭に値札をつけた商品を並べている店を少なからず見たことがあります。気に入った商品を店内に持っていってお金を払うんですね。それらの商売の根底にあるのは、日本人同士ではある意味不文律のようになっている「お互いがお互いを信用していて商売が成り立つ」と言うシステムだと思います。しかし日本語もよくわからない外国人がその店頭の商品を見たら、首をかしげるか、持っていっていいものだと思う可能性も否定できません。

まあ、これらはれっきとした小売販売業であり、慈善事業ではないので、多くのお店、特に大規模販売店では、「信用商売」だけではなく、それなりの万引き対応などもやっているはずです。よくあるのが防犯カメラですし、店を出るときの「探知機」のようなものかもしれません。あるいは、誰も見ていないように見えて、どこからか見張りをするガードマンや万引き捜査員を雇っているかもしれません。
しかし、今日は「そのような犯罪があるから気をつけよう」「対策しよう」と言うのがテーマではありません。ましてや「人を信用して商売するなんてバカバカしいことはやめよう」と言いたいのでもありません。
個人的には、このような「人を信用して成り立つ商売」に賛同しますし、「無条件で人を信用することほど尊いことはない」と思います。しかし、この世には今、人の信用や信頼を裏切ることで溢れかえっていますよね。日本人の心の中に「お客さんを信用して」という美しい心があるのなら、やはり客としてもそれに応えなければならないと思います。まあ、ごく一部の悪党を除いては、ほとんどの人はその信用にこたえて物を買っていると思います。やっぱり日本はそういう文化ですよね。もし日本の文化がよくわからない外国人がいたら、まずはその部分から学び、あるいは教えてあげねばいけないと思います。
物の売り買いから飛躍して考えると、特殊詐欺のたぐいはまさにその日本人の「お互いを信用する」という関係の隙間に割って入る悪魔です。「人の善意を逆手にとる」ことほど醜いことはありません。人の良さや弱さに付け入り、利用し、自分たちの利益だけを上げる行為に対しては、大多数のそうではない人々は、とにかく先ずは関心を持ち、徒党を組んで闘っていかねばならないと思います。
(写真は横浜元町通商店街の「セブン・シスターズ」筆者自ら撮影)
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