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#082 「紙芝居ケンちゃん」
昨日は私たちと同じような地域活動をされている(というよりだいぶ先輩の)「なごみサロン」さんからお招きいただき、自作の紙芝居「ケンちゃんのにんちしょうのおはなし~冒険編~」を披露してきました。認知症サポーター講習を除けば、実際に公の場で、この紙芝居を披露できるのは初めてのことなので、機会を与えていただいてありがたく、光栄なことでした。
そもそも昔から私が紙芝居が好きでよく見たり接したりしていたわけではなく、特に造詣が深かったわけではありません。まあたまに学校で先生が読んでくれる程度だったでしょうか。では、どうして紙芝居なのか、そのきっかけは、かれこれ10年くらい前に、地域の子供さん相手に認知症のことをどうやって伝えるか考えた挙句、「目に見えるもの」「ストーリーがあるもの」が良いという結論に至り、「そうだ、紙芝居を描こう」ということになったのです。そう記憶しています。
そして、その当初描いたのが今の第一弾の「ケンちゃんのにんちしょうのおはなし」の原型になっているのですが、とにかく写真を張り付けたりとか、簡単なグラフを入れたりとかあの手この手で鼻息荒く取り組んでいました。まあ子供たちにとっては”Too Much”だったことは間違いないでしょう。
その写真付き、グラフの説明付きの「子供向けのプレゼン資料」のような紙芝居が、贅肉が削ぎ落され、シェープアップした本来の紙芝居の姿になったのが「ケンちゃんのにんちしょうのおはなし」シリーズです。まあシリーズと言っても、まだ第二作までしかいっていません。三作目は「生みの苦しみ」というか、もう2年以上あたためながら、描いてはとりやめ、描いてはとりやめの繰り返しです。あたためすぎて沸騰してしまいそうです。もうちょっと肩の力を抜けばいいのにと思います。
しかし自分で言うのも何ですが、紙芝居づくりは相当ハードなお仕事です。すなわち、画家が一枚の絵を描き終わったら次の絵を描いて、それを20回繰り返しているようなものですから(と、どれだけオーバーに言っているのか自分でも恥ずかしくなりますが)。まあそれほどではないにしても、かなりの肉体的および精神的労働です。シリーズ第二弾、冒険編は完成までにかれこれ半年くらいかかりましたかね。一方で、その対価と言うのはほとんどないに等しいのです。うちの会社はご存知(ご存知ですか?)のように紙芝居も一つの事業としています。正規版の複製品を販売したりレンタルしたりしていますが、最初のころはありがたいことに社会福祉法人やNPO向けに計6セット売れましたが、なにせ値段が高い(大判のカラーコピー費用が異常に高いので)ので、それ以降は閑古鳥です。市販の紙芝居のように何万分も出版するのとは話が違いますから。
今は、紙芝居の対価は、見てくれた方の拍手と感想だと割り切っています。いや、割り切るというとのは傲慢です。それが何よりの対価だと思うようになってきました。そして、私の紙芝居には「使命」があります。紙芝居のおっちゃんが自転車で回ってきて飴やガムを売りながら紙芝居を披露するのを実際には見たことがないのですが、一度見て見たいですね。見て、飴を舐めながら、紙芝居の極意を盗み取りたいです。そして、ずっと考えている夢は、私も「紙芝居ケンちゃん」として自転車で地域を回り、子供たちに紙芝居を披露することです。いいですよねえ。飴は売りませんけど。
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