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#081 「SNSの功罪」
17日に施行された兵庫県知事選挙の結果に驚きました。私にとって(そして恐らく多くの県民にとって)意外な結果だったからです。私がだれに投票したかは、いくら個人のブログでもさすがに言えませんが、最後まで迷い、最後はこれからの県政の安定を考えたのと、とある議員さんの個人的な応援の意味もあって、投票先を決めました。
今回の選挙結果は、まだ開票後一日半ですが、すでにいろいろな媒体で様々に総括がなされています。まとめると、だいたいは「選挙活動へのSNS媒体がとても効果的に生かされた」「選挙終盤になるほどその効果が大きな波のうねりのように広がっていった」「新しいかたちの選挙が始まった」というようなものが主だったと理解しています。SNSに関しては、ほぼすべての総括で言及されていました。
とあるSNS投稿で見た「出口調査での年代別投票先の集計結果」のデータによると、S候補の支持者の年代は20代以下という若い層に圧倒的に多く、年代が上になるほど少なくなっていき、それが見事に一定の法則を持ったようなグラデーションになっていました。SNSは若い世代ほどよく使うということを考えると、なるほどと思えます。しかし正直、このデータにしても情報をそれらしく伝えるために捏造されたものかもしれないとも思いました。
SNSやネットに掲載された情報が人々の間で拡散され、それが大きなうねりとなって人の思いや考え方を左右していく、それは何も日本に限らず、現代の世界はどこに行っても同じでしょう。いや、日本はまだまだその流れは遅いほうかもしれませんが、しかし確実にグローバル化の波に遅れまいとばかりに浸食されて行っています。そして、往々にして、その情報は根拠や十分な裏付けのないもの、興味本位のもの、人々の同情や怒りや嘲笑などを煽るだけのどちらかと言えばあまり好ましくない内容のものであることが多い気がしてなりません。
しかし一方で、SNSは本来は人と人がつながるための、いわば仮想空間上での人同士のコミュニケーションツールであるはずです。それを上手に活用することで、対面では頻繁には会えない人同士が対話し、お互いが幸福感を感じるための宝箱のような存在だったと考えています。少なくとも10年前はフェイク情報などが拡散する世界になるとは考えもしませんでした。
いずれにしても、今やネットやSNSの世界はフェイク写真・動画や偽情報や特殊詐欺の広告などで溢れかえっており、従来の「お互いが幸福を感じるための情報」はどこにあるのか、その都度、汗をかきかき探し回るしかありません。
だから今回の選挙結果が「根拠のない情報に煽られたもの」と言っているのでは決してありません。ただ、最初のパワハラ疑惑にしても、パワハラは捏造だった疑惑にしても、それを特によく考えずに大きなうねりになった波に飲み込まれていった人々がいたのは確かだと思います。選挙はこれからの地域の自分たちが幸福に当たり前の暮らしを送れるかどうかを自分たちの手で選ぶ大切なイベントだと思います。SNSやネットで流れていただけの情報や、「みんなが言ってるから」とか言うことに左右されず、自分の目で納得するまで見、考え、出来るだけ正しく見極めていきたいものですよね。
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