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#063 「ケンちゃんのお金儲けのおはなし」
紙芝居「ケンちゃんのにんちしょうのおはなし」もいよいよ第三話の製作に着手しました。内容はもちろん、まだ「ヒ・ミ・ツ♡・・・ウフン」ですが。第二話を作ったときに比べて、製作にややスピード感がかける気がします。なぜ紙芝居を作るのか。やはり私の会社の事業の第三の柱として紙芝居事業(紙芝居事業?)があるので、一抹の義務感を感じながらも取り組んでいます。
最初からそうでしたが、こういう創作活動には、一定程度の「生みの苦しみ」があります。作品も第一話、第二話・・・と進むにつれて、どんどん生みの苦しみが増えてきています。そりゃそうだ。名高い文豪や画家、作曲家や陶芸作家、建築家にしても「生みの苦しみ」を全く感じずに、プリンターからさらさら紙が出てくるように作品が生まれてくる人は(まったくとは言い切れませんが)なかなかいないはずです。しかし、生みの苦しみを経た作品は、だいたいは名作になるはずですし、仮に上手くできなかったとしても愛着のある作品になるのではないでしょうか。
話しが初っ端から脱線するのが私のブログですが、今日は「お金儲けのおはなし」でしたね。2008年、英語教室の運営を核に立ち上げた株式会社セブンシスターズに、2022年、福祉教育事業を加え、二事業部制(大げさな)にしましたが、新事業の一環として、紙芝居を製作し、作品を販売/レンタルするという事業がありました。私にとっては、企画を練って、紙芝居を作るところがメインの仕事になり、それのマーケティングは二の次だったような気がします。第一話を完成した時は、珍しさもあってか、YouTubeの視聴数も順調に増えていきましたし(収入を得るには遠く及びませんでしたが)、数団体に購入/レンタルもいただきました。ただ、複製して公認版を作るコストが想像をはるかに超えて高く、商品としてはいささか高すぎたのが難点でした。マーケティング不足もあり、その後の売り上げはなく、YouTube視聴数も伸び悩みです。
2022~2023年は仕事獲得に力を入れ、福祉教育事業という荒れた土地に、「自分の強み」といういろんな植物の種を蒔いてみましたが、残念ながら、芽が出たものはほとんどありませんでした。「どんな実がなるか」楽しみにしていたのに。
2000年に国が介護保険政策を打ち出したとき、多くの人は「これからは介護や福祉がお金になる」と喜んだと思います。そして事実、多くの既存企業や新しく立ち上げた団体が介護保険事業に参入し、一獲千金を夢見た方々も少なくないと思います。
しかし、それは自由競争ではありながら、介護保険制度という制度の制約を受けながら、どのように商品化し、マーケティングしていくかという、いわば「決められた枠の中での競い合い」でした。各事業所はそれぞれの運営の理念を掲げ、「スタッフがフレンドリーで優しい」とか「絶対に鍵を閉めない」とか「楽しいイベントを企画しています」とかセールスポイントを打ち出していきました。しかし、それが営利事業である限り、「うちはお金儲けはしません、興味もありません」と公然と言っているところは、なかったと思います。(まあ、うちはお金儲けが第一です、と言っているところもないでしょうが)。
私は根っからの天の邪鬼ですので、このような制度のいろいろなルールに縛られて、不自由に競争していくのが嫌で、あえて介護保険制度外で「お金儲けをするべく」当社の福祉教育事業を立ち上げました。正直に言って、株式会社であるので、その運営維持のためにも収益を得ることは必須であると思い日々取り組んでいました。しかし、事業立ち上げから2年と4か月を経て、今、強く感じていることは、「福祉とお金儲け」はつくづくそぐわないということです。
「お金儲け」には大儀と理念が必要だと考えます。そして、ただの理念ではなく、やはり人に尊敬されるような理念が必要なんでしょうね。たとえば、経営者が「もっと金持ちになって豪邸を建てたい」とかを理念として打ち出して、人はその会社に投資するでしょうか。松下幸之助さんにしても、本田宗一郎さんにしても、稲盛さんにしても、SONYの井深さんにしても崇高な理念があったからこそ企業は発展し、人心をつかんだのでしょう。わたしゃ、そんな偉大な人々の足元の砂粒にも及びませんが、一方で、やはり会社には「運営の理念」を作っています。その中で「金儲けはしません」とは書いていませんが、「地域の社会資源になる・・・」というのがあります。
去年から始めた、この「ちいきの居場所 いこいの広場3丁目」はある意味、私たちの最終的な目標でした。そして、これは非営利なのです。「お金儲け」が悪いとは決して言いませんが、今は「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ・・・」ではありませんが、いくばくかの日銭を稼ぎながら、この地域の居場所活動にいそしんでいます。これからどうやってやっていこうかなという若干の不安を抱えながら・・・
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