#058 「ゲソ事件、勃発」

干しイカ、のしイカ、するめイカ、スイカ、甘イカ、しょっぱイカ・・・・イカにもいろいろあるけれど・・・という歌はないと思いますが、前回のブログからイカの特集をやっています。私はもう人生の7割がたイカに嫌われて生きていますが、たまにはイカづくし(頭で想像するだけ)で日頃のうっぷんを晴らすのも楽しいかもしれません。

 前回、「イカアレルギー」というブログを書くきっかけになったのも、つい最近、本当に久しぶりにその症状が出て、夜、のたうち回ったからです。それでこの機会に、人生における私のイカとのつきあいをまとめておこうと思った次第です。

 さて、今回、久々のイカアレルギーの症状が出たのは、行きつけの〇〇寿司で、握り寿司を持ち帰りで今日の夕飯にしようということになったのがきっかけです。実際にランチサービスでその寿司屋を利用したのは初めてで、値段も安く、得した感が強くてはしゃいでいました。盛り合わせの上を三つ、当然一つは「イカ抜きで」とお願いしていました。

 帰宅後すぐに冷蔵庫に入れ、夕飯時、私たちは久しぶりの握り寿司に舌鼓を打っていました。私は芋焼酎ロックを合わせながら。ここの寿司屋はネタも大きく、とにかく新鮮でおいしいのです。ひとつは確かに「イカ抜き」と書かれていて、当然、私はそれを選びました。いつも見ているイカの握りは他の二人には入っていて、私のには入っていないことを確認したうえで。

 その中に一貫、今まで見たことのないような白いごつごつしたネタが含まれていて、食べるとコリコリして意外に美味しかったのです。勝手に何かの貝だと思い込んでいました。そして、その夜、例の腹痛で、まさしくのたうち回ることになったのです。実際に痛みにはいくつかの山があるのですが、一番大きな山の瞬間を切り取ると、「本当に死ぬかと思う」ほど痛いのです。途中から、これは「例の」アレルギー独特の痛みだと自分で認識していましたので、なんとか峠を越えるまで我慢しましたが、頭の中ではクエスチョンマークが揺れていました。???・・・・

 握りだけにそのまま握りつぶすことも考えましたが、一応、物事があいまいなままでは落ち着かない性格なので、翌日、〇〇寿司に電話して聞いてみました。いえ、クレームの電話ではなく、あくまでことの真相を確かめたかっただけです。店員さんは最初はあまり事情がよく分からなかったようですが、そのうち、昨日対応したという店員さんが出てきて、話が通じました。

 「あれ?イカ抜きと書いてなかったですか?」

 「それはちゃんと書いてましたよ。でも、実際に腹痛が出たのでなんでかなと思って」

 「・・・・・・・・」

 「そういえば、あの白いコリコリしたネタって何ですか?」

 「あ~あれは、ゲソですね」

 「えっ?ゲソってイカじゃないんですか?」

 「あ~・・・・・・・どうさせてもらったらいいですか?」

 「いや、別にどうもしなくていいです。ただ確かめたかっただけなので」

 「すみません、これから気をつけます」

 ゲソはイカの足だとすぐに気づいて対応しなかった店のスタッフのリスク管理も問題だけど、それを貝の一種だと信じ込んで疑いもせず食べた私も問題です。そう思うことにします。これが、新聞に載るほどではありませんでしたが、あの「ゲソ事件」の顛末です。痛みでゲッソりしましたが、イカんともしがたい事件でした。

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