#057 「イカアレルギー」

もともとアレルギー体質だったのでしょう。子どものころ大きな蕁麻疹が出て、検査の結果、ハウスダストやダニに対するアレルギーとの結果が出ました。皮膚が台地のように赤くはれて盛り上がり、痒くてたまりませんでした。薬が処方されましたが、当時の薬はとにかく副作用の眠気がひどくて二重につらい思いをしました。

 大学生のとき、法事で親のお郷に帰ったとき、夕食にお寿司が出て、イカを大量に食べたのを覚えています。その夜、ひどい腹痛でのたうち回りました。初めてのことでなにがなんだかわからず戸惑いましたが、翌朝にはケロッと治っていたと思います。

 その後、ときどき同じような痛みが起こることがあり、大学4回生のとき、大阪の総合病院で胃カメラなどの検査をしてもらいましたが、結局これといった原因が分かりませんでした。同期の友達がとても心配してくれてありがたかった記憶があります。そしてその後も同じようなことがたまに起こり、自分でよくよく考えた結果、痛みが起こる前に共通して食べていたものは「イカ」に違いないという結果を自分で導きだしたのです。

 イカ、烏賊、いか!イカで腹痛?どうにも結びつきませんでした。これはアレルギーなのだろうか。アレルギー検査の結果、「あなたのアレルゲンはイカです」と言われたことは一度もありません。甲殻類アレルギーというのは聞いたことがありますが、カニやエビは大丈夫でした。ちなみに人からよく聞かれるのですが、タコも大丈夫です。

 症状はだいたいパターンが決まっています。いかを食べた3時間後くらいから徐々に独特の腹痛が始まり、4~5時間後にはそれが最高潮に達し、のたうち回るほどになり、その後7~8時間でだいたいは治まります。アレルギーの出方が腹痛、というのもあまり人から聞いたことがありません。

 当時、私も自分なりに調べてみましたが(当然、ネット検索のような便利なものはありませんでした)アレルゲンとしてイカが含まれるのは見た記憶がありません。しかし、今はアレルゲン28品目の中に立派にイカが入っているのを確認できます。私の事例が学術に貢献したのかな?まさか。

 私は、後天的イカアレルギーだったということでしょうか。ずっと子どものころは、むしろいかは大好物で、干しイカの駄菓子なんかを友達と買い食いしたり、お寿司ではいかばかり選んで食べたりしていました。「罰が当たった」というわけではないでしょうが、「一生分のイカの量を食べつくした」というのが、家族の間では定説になっています。

 たまに「イカ食べてないのに腹痛が起きた」というときがありますが、そんなときは決まって「あやしい練り物」を食べています。なので、学習したサルは必ず「成分表」を見るようになりました。最近は親切になりましたね。ほとんど「この食品は以下のアレルゲンを含んでいます」という表が提示されていますね。

 なんて感じで、イカのことを書きだすと止まりませんし、そればかりも「イカなるものか」と思いますので、この辺でやめておきます。あとは省略します。イカ同文ということで。

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