#044 「生き残りをかけて」

ある科学番組でやっていました。宇宙が誕生して約140億年、地球が誕生してからは約45億年。それから地球上で今までの間に5回の生命絶滅危機を繰り返してきたそうです。その原因の全部が述べられたか記憶にありませんが、少なくとも1回は宇宙から大隕石が次々に降ってきて、生命体の7割が死滅したとのことです。

 “endangered species”(絶滅危惧種)この英単語は割と早くに覚えましたね。地球には約16万種の絶滅危惧種がいると言われています。地球全体の野生生物の約7%です。しかし番組では、このままだと生物の約7割は死滅してしまうと言っていました。この中に「ヒト」は入っているのでしょうか。まあ入れていないでしょうが、ある科学者は「人類はこの先必ず滅亡します」と言い切っていました。「・・・ただ、そうならないように人類の英知を集めて取り組んで、云々」とテレビ番組的に妥当なところに落とし込んでいましたが、いやいや、本当はそんなこと考えていないでしょうと思いました。

 まあ、地球誕生から45億年、人類の誕生から約200万年、人類の歴史は地球の歴史の中の0.04%、2500分の1です。西暦に代わってからの2000年は、人類が誕生してからの0.1%。スマホが出来てから約20年とすると、スマホが出来てからの時間は、もし0の数え方が間違っていなければ0.0000004%と言えます。技術はどこまで進化するのか予想できればいいんですが、まあ今の世の中の技術の進歩を考えると、これから先の伸びしろって、そんなにあるのかしら。もうそろそろネタ切れの気がするのですが。

 「ネタ切れになるんじゃないか」と思うひとつの大きな理由は、そろそろ神との境界線がなくなってくるからです。つまり、人類誕生以来の技術の進化を長い曲線にすると、長い間平行に伸びていた線が、めちゃくちゃ短い期間で限りなく上昇していて、そろそろ直角に伸びるところに来ています。「もうこれ以上伸びしろがない=もう行くところがない=人類滅亡」というのが私が考えるところですが、科学者じゃない私がほざいていることも、あながち極論ではないような気がします。そう言っている科学者も少なくないと思います。

 気候変動も私たちの技術の行き過ぎが招いたことだと思います。自分の残りの命が長い歴史の中でそれほどのものではないので、まあ放っておけばいいということでは決してありません。人類が生き残りを目指すには、技術の進化のスピードを緩めることしかないと思うのは私だけでしょうか。できれば、少し退行させた方がいい気がします。

 最近は、わざとデジタルから遠ざかる時間「=デジタル・デトックス」やマインドフルネスが流行ったりしています。こういう流れはどんどん広げていきたいものです。

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