#043 「にんちしょうとこども」

市内のとある児童館で認知症サポーター講習を行うというので、見学に行かせていただきました。小学生も高学年くらいを対象にしていると想像していたので、実際は1,2年生が対象であるということを知り、興味はさらに深まりました。

 小学生、しかも低学年の子供たちに認知症のことがわかるのだろうか、それをどうやって教えるのだろうか。実際はそんな考えは杞憂に終わりました。講師の先生のスライドの内容や、話す言葉は専門用語も散見され、もう少しかみ砕いてわかりやすくお話ししたほうがいいかなとは思いました。一方で、講義の内容がわかろうがわかるまいが、子供たちの反応はとてもよかったし、質問は「はい!はい!」と延々と続いたし、なにより講師の方の穏やかで子供に寄り添っている感じがとても好感を持てました。

 まずは『にんちしょう』への入門としては、これでいいのだと思います。これを年に一度でいいから、小学校では「にんちしょうのお勉強」の時間を作り、回を重ねていくことで、その知識となぜそれを勉強することが大事なのか、自分たちには何ができるのかを頭と身体に落とし込んでいけるのじゃないかと思います。

 子供たちは、私たちが考えているよりもずっと『にんちしょう』がどういうものなのか、その言葉と意味を知っています。小学生も高学年になると、ほぼ100%その言葉を知っていますし、今回、1,2年生でも半分くらいは「知ってる!」と手を上げました。

 そして、質問の中には「せんせい、子供でも認知症になりますか?」というのがありました。ここが切実なポイントなのです。実際に小学生くらいまでに認知症の症状を発症することはゼロに近いと思われますが、やはり「認知症になると大変、こわい」という気持ちがあるからこそ、実際に認知症になった人たちを見る目が養われ、そして一緒にかかわりながら生きていこうという気持ちがだんだん育っていくのだと思っています。

 8月21日に、いこいの広場3丁目で「ケンちゃんのにんちしょうのおはなし」の紙芝居を行います。まずは子供たちの目がこちらにむいてくれるように頑張ってみよう。

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