#041 「貧乏性」

ネットで「貧乏性」と引いてみると、「ケチケチして余裕がない性質」「細かいことを気にして、損得にもこだわるため、周囲には余裕がない人にも映ることも」とありました。自分は、かねがね自分は貧乏性だと思っていますが、そのネットの定義とはちょっと違うことに気づきました。「ケチケチしてる?」「損得にこだわる?」まあそういうところもあるかもしれませんが、それは自分が思っている「貧乏性」の本質ではありません。

 私の「貧乏性」とは、自分で決めたことに縛られすぎて、回りが見えなくなったり、寄り道したりできなくなってしまう性格です。よく言えば「真面目で責任感が強い」、悪く言えば「頑固で融通が利かない」というところでしょう。最初のWEBでの定義の中でも「余裕がない」とか「細かいことを気にする」というのは当たっていると思います。

 自分は「貧乏性」である自分を誇りに思う時もありますが、逆にしんどくなってくることもあります。自分で決めたことがうまくこなせていると楽しいですが、うまくこなせないと必要以上に落胆したり、自分を責めたりします。「やることリスト」がひとつずつ棒線で消されていくのが何より快感です。いつも頭の中は、次のリストをどうやって消すかです。

 どうですか?これって、まさに「貧乏性」ですよね。「やることリスト」の周りにあるたくさんの楽しみとか喜びとかがスルスルと落ちては消え、落ちては消えていっているのでしょうね。

 昔はどうだったのでしょうか。学生の頃に日本全国を各駅停車で回ったことがあります。好きな音楽をウォークマンで聞き、延々と車窓を眺めながら目的地までひたすら電車のガタゴトに揺られていたあの一か月間。やることリストもなく、棒線で消す必要もなかった。ひたすら音楽と車窓を楽しんでいた。楽しかったですね。

 よく考えてみると、貧乏性の「貧乏」とは、経済的な貧乏ではなくて、心の貧乏であるかもしれません。あまり自分のことを悪くばかり言いたくはないですが、せっかく生きているのですから、心は豊かに生きていきたいものです。

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