#026 「佐藤さん」

佐藤さん、どちらの佐藤さんでしょう。近所の商店街の佐藤さん?いえ、阪神タイガースの「推し」の佐藤輝明さんです。

佐藤輝明さんこと「サトテル」は、あ、逆か、「サトテル」こと佐藤輝明さんが私の「推し」になったのは、2020年ドラフト会議前から注目ナンバーワンで鳴り物入りでタイガースに入ってきた久々の大物バッターだったからというわけではなく、そのマイペースに見えるキャラで、翌年のオープン戦から早速、飄々とした風貌でいとも簡単にホームランを連発したからです。優等生の雰囲気を醸し出すのではなく、(本当はどうかわからないので言い方に語弊があったら勘弁してください)そのふてぶてしいドヤ顔が気に入りました。今からとってつけたように考えれば、コロナ禍で身も心も疲れ果て、沈んでいたときだったからこそ、久しぶりにスカッとするニュースにはまり込んだのかもしれません。

実際に2021年のシーズンに入っても、その実力はいかんなく発揮されましたね。あの横浜スタジアムで高速の流れ星のように場外に消えていった当たりなんかは見ているこちらまでドヤ顔にさせてくれました。しかし、最初のスランプに陥るまでにはそうは時間がかからなかったですね。やはり、他の球団のすべてにマークされ、細心の注意と対応策を講じられたからでしょう。プロの水はそんなに甘くなかったわけです。

それから去年のシーズンまで、スランプに陥ったり、また復活したり、またスランプに入ったりと目まぐるしく繰り返してきました。おそらくチームの首脳陣も回りのプロの解説陣もマスコミも一様に本人の練習への姿勢や、その性格、はては態度まで言及するのですが、まあ野球選手が性格や態度まで言われるのは少し気の毒な気がしてなりません。それが、関西の、いや日本全国にファンのいる人気球団の主力選手の宿命と言えば宿命なんでしょうが。

今年のシーズンは、本人が「技術的に何かをつかみ取った」(それがどういうものであるか、素人の私にはよくわからないのですが)ような評があり、そのように専門家も評価しており、実際にキャンプ中の練習試合やオープン戦でも「今年のサトテルは違う」との評を受け、いい打撃を見せてくれていました。いろんな回りの評に振り回される私を含む虎吉は、それはそれは期待を膨らませたものです。

それが、ペナントレースが開けてしばらくたったら、やっぱり(例年よりも若干早く)スランプに陥りました。また、昔からあまりうまくなかった守備のほころびが目立つようになっていきました。そして、同じようにマスコミがその都度たたき、いろんな専門家の評がまことしやかに流れるのです。

私が思うのは、サトテルにどうしろ、こうしろと回りで次々言ったり、それに回りが一喜一憂したりしても仕方ない気がします(本人はどこ吹く風かもしれません)。いえ、決してネガティブなことを言いたいのではなく、それより大事なのは本人がどうしたいか、どうなりたいかを自分で決めて、それについて回りが尊重しながら話し合って、それをサポートしてあげることじゃないかなあと思います。何だか、認知症ケアに通じるものがあるような気がしないでもない(強引ですね)。しかし、それを許さない、とにかく結果が早くほしいファンの気持ちもわかります。なんやかんや言って、ここにいる大の虎吉も結局そう思っているのですから。

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