#024 「部屋とTシャツと私」

神戸出身の平松愛理のヒット曲のタイトルをもじってみました。「部屋とYシャツと私」を久々に聞きましたが、歌詞はいつ聞いても秀逸だと感じます。喜びの中の哀しみやその逆、人の気持ちの機微がよく出ています。それはさておき、私が歌を作るとしたら、さしずめ「部屋とTシャツと私」でしょう。

29歳で東南アジアに赴任してから、スーツのような正装をしなくても仕事ができるようになりました。逆にスーツを着ていると(そういう駐在員も中にはいましたが)暑苦しく見えましたね。さすがにTシャツで仕事をすることはなかったですが、いくら営業に出ても開襟シャツ一枚が普通、ノーネクタイ、ノージャケットは当たり前でした。代理店さんなどはアロハを着ていることも多かったです。そして普段着はもちろん1年中Tシャツかアロハシャツでした。

駐在の後は現地で自営の日本語学校の教師、帰国後は介護福祉の現場一筋でしたので、やはりノーネクタイ、ノージャケットでした。しかも介護は冬でもTシャツの重ね着が主流でしたので、相変わらず1年中Tシャツだったわけです。

ところで、私がTシャツワールドの深みにはまり込んだのは、実は社会人になるだいぶん前、10代の後半くらいからだったと思います。その後の東南アジアの環境は私にはまさに「渡りに船」だったということです。

今年64歳のおっさん。これまでに買ったTシャツはどのくらいの数になるのでしょう。どう少なく見積もっても1000枚は超えているでしょうね。だいたい、年に20~30枚新しく買って、同じくらいは古いもの、あまり着ないものから捨てているというサイクルで、棚に常備しているのはつねに200枚くらいでしょうか。そんなに捨てるなんて罰当たりだと思いつつも、このサイクルを繰り返しています。

Tシャツを選ぶ基準は時の流れと共に変わってきています。昔はとにかく色、柄、デザイン重視でしたね。いまだに覚えているのは学生時代に来ていた、リアルな虎が描かれているもの、とにかく鮮やかなグリーンで色が好きだったものなどです。波打ったストライプの入ったものなども着ていましたが、今だったらまあ着ないでしょうね。年をとって傾向が変わり、今はもっぱらサイズ、フィット感、着心地が一番大事です。自分の体型の変化もその時々により変わっており、本当に「ジャスト・フィット」というTシャツは年に数枚出会えたらいいほうかと思います。そしてその数枚はがヘビーローテーションになるというしくみです。デザインは良いに越したことはありませんが、決め手としては二番手以降でしょうね。

そして購入先は圧倒的に古着屋、セカンドハンドショップです。セカンドハンドは今やチェーン化して、その人気ゆえに値段も増長して上げられています。「良い」服を安く買い取り、高く売るという商魂です。セカンドハンドのチェーン店では、名のあるブランドのTシャツが4,000円や5,000円で売られていることなんてざらです。そんなら新品買うわ!とおっさんは愚痴っていますが、値打ちは認めざるを得ません。いわば古着のブランド化がどんどん進んでいます。

そんな中、私が主に調達するのは昔からの近所の古着屋さんです。10年くらい前は本当にアメリカ製、イタリア製などブランド品が300円、400円で売られていて、二日に一回くらいはダイヤモンド採掘に出かけていたほどです。今はさすがに競合が激しくなってきたのか、アジアや南米の品物が多くなってきましたが、それでも値段はせいぜい500円くらいに据え置きです。さて、着心地の良いものを求めて、おっさんは今日も偵察です。

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