#022 「いなかにかえる」

一昨日、母方の叔父が亡くなりました。昨日は91歳の父を乗せて、お葬式に香川県を往復しました。うちは父も母も香川県高松の出身なので(実家は100メートルくらいしか離れていません)、小さいころから夏休みや冬休みには、たいてい家族で高松に里帰りして両方の実家で半分半分過ごしていました。私自身は明石生まれで生粋の兵庫県人であり、高松で暮らしたことは一度もないのですが、両親と同じように「田舎に帰るねん」と言っては友だちにドヤ顔をしていたような気がします。いなか(故郷)があるということへの憧れからだったかもしれません。

 さて、思うに両親の家系はどちらも早逝のようです。父親は4人男ばかりの兄弟で、父はその四男ですが、その兄弟4人中、いや配偶者を含めると8人の、その中で父以外はすべて他界しています。しかも、父以外の7人がすべてここ15年の間に集中して病気で亡くなっているので、私が帰国してからの、ここ15年はあまりいい言い方ではありませんが、お見送りラッシュでした。

 母も4人兄妹、異母兄2人を含めて6人兄妹ですが、母以外はすべて男です。一昨日、85歳で亡くなったT叔父は母のすぐ下の弟です。77歳で他界した母、それから後を追うように事故死してしまった一番下の弟、そして今回のすぐ下の弟のT叔父もまだ85歳でした。異母兄の2人も二人とも他界しており、兄妹全員の中で、先日米寿のお祝いをした一番上の兄がお元気で頑張っていますが、さすがに今回はかなりつらい様子で弱って見えました。

矢野家も、母の実家のM家も合わせて10人の兄妹の中で生きているのは1人ずつということになります。90歳を超えて元気で暮らす高齢の方々がとても多くなってきた今の世の中からすると、やはり両親の家系は早逝と言えるでしょう。

 母は兄妹全員をとても慕い、可愛がり、可愛がられていました。何か自分で小物などを作るたびに、兄妹全員に送っていたそうです。同じ母親から生まれた4人兄妹を振り返ると、豪放磊落で活発で人情味あふれる長男、天然でゴーイングマイウェイでお嬢様気質の母、知的で柔和で笑顔しか思いださない今回他界した次男、少し神経質だが人懐っこくイケメンの三男、それぞれ私の感じていた性格はとても違うけれど、それぞれがそれぞれを必要とし、とても絆の深かった兄妹でした。

 今回、一人残った伯父にあったとき、思わずハグしてしまいました。杖歩行でよちよち歩きになり、少し豪快感が薄くなり、転倒の繰り返しで体中にあざが出来てしまっている伯父。これからの人生をどうか思い通りに楽しんでほしいと心から願いました。

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