「マテバカイロノヒヨリアリ」

いつのころからかひとつの価値観が根付くようになりました。それは、「今起きていることにはすべて意味があり、必要なことなのだ」というものです。もちろんこれを被災地や戦地で日々苦しみ、つらい思いをされている方々にも当てはめようとするつもりは毛頭ありません。少なくとも、この私の個人的な、毎日のよしなしごとに関してあてはめ始めているつもりです。

以前は小さな出来事や事件や痛みや理不尽な思いにひとつひとつ嘆き、「なぜ、どうして?」という不満を小さく爆発させていたような気がしますが、「これも何かの意味があるからそうなっているのだ」と思うことで、気持ちがすっと楽になり、前向きになり、また歩き出せるような気がするのです。もちろん、なかなか感情的にそう上手くいかないときもありますが、そんな時は無理にでもそう思い込むのです。自分を自己暗示にかけることで、うまく自分を騙すわけです。「理屈が通らない、許せない、おかしい・・」でも、そんなことどうでもいい、少なくともそう思い込むのです。そのご褒美は自分が前向きになり、楽になることです。

さて、ここはお坊さんの訓話のコーナーでもないので、それくらいにして、話変わって、皆さんは「マテバカイロノヒヨリアリ」ということわざの漢字を書けるでしょうか。私の価値観と同じような気持ちの一環として、人から問い合わせになかなか返事をもらえないとき、なかなか申請の結果が出ないとき、必要な情報が伝わってこないとき、同じように自分を騙して「マテバカイロノヒヨリアリ」と唱えることがあります。意味はもちろんご存知と思いますが、では、漢字でどう書くと思いますか。

「回路のひより?」「懐炉の火より?」「カイロ?」「Cairo?」答えは「待てば海路の日和あり」でした。海路とは思いつきませんでした。コトバンクWebによると、「たとえ時化が続いても、待っていればそのうちにかならず航海に適した穏やかな天気になる。じっくりと好機を待てというたとえ」だそうです。

このように日頃何気なく使っている言葉、ことわざでも実際の漢字や由来を知らないことって結構ありますよね。「灯台下暗し」本気で「東大元暮らし」と思っていました。もともと東大に暮らしていて、今はなにをしているのでしょう。「五里霧中」これはテストに出る慣用句あるあるですが、「ゴリ夢中(ゴリラに夢中になっている人?)」まさかね。

矢野健太郎

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