#015「AIには任せられない」

今年は例年よりも少し遅くなった桜の開花も、この週末が一番の見頃というニュースで溢れています。ここ神戸は毎年、全国でも桜の開花が遅い方で、明日ようやく満開を迎え、来週いっぱいはお花見を楽しめそうです。

お花見、そういう私は今年、生まれて初めての花粉症を発症し、そして今まさにヒノキ花粉の飛散のピークと黄砂飛来が重なったダブルパンチに見舞われ、ほとんど外に出られないという悲惨な状況になっています。飛散で悲惨というところです。

さて、NHKのニュース番組の中で、気象予報士さんたちが「今年は開花予想を誤った。今年は難しかった」と言っているのを聞いて「はて?」(「虎に翼」の虎子風に)と思ってしまいました。確かに今世界は異常気象により、イレギュラーな天気の移り変わりになる可能性が高いと言えます。しかし、そこは技術の進歩、AIに過去100年とかのデータを学習させ、そこに今の気候変動の要素をインプットすれば、開花予想なんて屁のカッパ(古い表現だなあ)なんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。

では、なぜAIに開花予想をさせないのでしょうか。もちろん、この疑問にはれっきとした回答があるのかもしれませんが、そこは「素人の私が素人考えでほざく!」それがマイブログです。それは、きっとある種の職業では、長年の伝統で「儀式化」していて、簡単に「AIには任せられない」からではないかということです。桜の開花宣言なんてものは、その最たるもので、毎年、双眼鏡を首からぶら下げた気象庁の職員が、標本木の前で「開花まであと○日」とか「今日開花したことを宣言します」とか言っている図を3月末くらいになると必ずテレビで見ます。多くの日本人が注目している、毎年の重要な儀式ですね。少し遡っての「開花予想」も気象予報士が開花予想会議とか(知らんけど)を経て、結論を出すという伝統の方式に従ってこそ価値がある、あるいはそう思われながら時が推移してきているのでしょう。

反対にニュースの中でのAIの出番は確実に広がっていて、最近よく見かけるのは「では、ここからのニュースをAIの音声でお届けします」というのがあります。AIでと言われなければわからないような流ちょうな言葉です。しかし、NHKで午後7時半ごろに毎晩出てくる晴山紋音さんが、ある日「では、今日はAIのアイちゃんに天気予報をお願いします」とか紹介されてアンドロイド予報士が出て来た日には、やっぱり「もう天気予報なんて信用するもんか」と思ってしまいそうです。やっぱり、AIにするかしないかは、その業界や職種や仕事そのものや、誰がやるか、などですみわけをすることになっている、それが世の常であるような気がします。

また、職種によっては、AIに任せることが難しいもの、あるいは任せられる部分もあるけど、あまり任せてほしくないと思われるものもあります。そのひとつとして一番に頭に浮かぶのが、介護の仕事です。

「人をケアする」ことに関連して問われる能力が多々ありますが、その中で、身体介護的なものは除いて、AIにお任せできるとは思われない能力に「人間力」と「感情力」があると思います。どちらも、認知症ケアについては特に必要な能力で、逆に言えば認知症ケアだけはどうやってもAIには任せられない気がします。

「人間力」とは何かを簡単に言い表すことは難しいですが、これは学校で習うような学習や、専門教育でも身につかないような、人としての「魅力」とか「深み」とでも言いましょうか。よく「人間力を磨く」というように「磨く」という動詞とセットになることが多いように思います。専門分野とは関係ない小説を読んだり、音楽や絵を鑑賞したり、趣味をもったり、ときにはお笑い番組を見て思い切り笑ったりして磨かれていくものだと思います。

「感情力」とは、感情を素直に出したり、逆にコントロールしたり、そして何より人の微妙な感情の変化まで理解し、受け止めたり、適切に反応したりする能力とでも言いましょうか。

これらの能力は、介護、ケア、特に認知症ケアではとても大切な力です。これらを考えると、「おいAI、お前には無理だろう!」と私は希望的観測も含めて声高らかに言いたいのです。

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